ゲリラ豪雨や毎週のようにやってくる台風など、ここ数年おかしな気候が続いています。
多くの人が楽しむようになってきたアウトドアですが、天候に左右されるのも事実です。せっかく予約をして楽しみにしていたのに雨予報・・・
そらっぴ一家は雨だろうとキャンプに出かけちゃいますが、そうは言っても晴れたほうがいいですよね・・・
でも、雨予報だからってキャンプは絶対できないかと言ったら、そんなことない!
天気予報に出てくる「降水量」を知ることで、どのぐらいまでなら大丈夫なのか?楽しめるのか?の目安を身につけることができます。こども一緒に雨の中でも楽しくアウトドアを過ごしませんか?
降水量ってそもそもなに?
テレビでもインターネットでも、天気が雨予報のときに必ず目にするのが「降水量」です。
「〇〇地方 明日の天気は雨。予報降水量は3mmです。」
へー、3mmね。
・・・
少なくね?
いやいや・・・
漠然と降水量を聞き流している人ってまだまだ多いのではないでしょうか?
例えば、1時間に10mmの降水量であった場合、たまったのは10mm=1cm。
大したことがなさそうに見えますが、1m(100cm)四方の容器で受け止めると、たまった雨の深さは1cmなので、
100cm × 100cm × 1cm =10000cm3 =10リットル。
10リットルの雨が1時間で降ったことになります。
10Lと言ったら一般的なジャグの容量と同じぐらい。
これはあくまでも1m四方での雨の量。
そらっぴが住んでいる平塚市の面積は約68平方キロメートルなので、ここに10mmの雨が降ったら・・・
68 ×100000(cm)×100000(cm)×1(cm) =680000000000cm3 /h
わけわかんないぐらいヤバそうな気がしてきますよね。
降水量別の感じ方と注意点
なんか、久々な掛け算と体積の出し方に戸惑っている人も多いかもしれませんので、天気予報でよく見る数値はどんな具合なのかをわかりやすくまとめてみました。
0mm | 小数点以下は切り捨てて表示するのが気象庁ルール。 つまり、0~0.9mmまでは全部0mm。 雨が降っていることもあるので「気象庁の嘘つき!」とは言わないこと。 |
1mm | 雨が降ってるなってわかるレベル。 ちょっとそこまで~って外出なら傘をささなくても我慢・・・ いや、我慢できない人も出てくる微妙ライン。 そらっぴが機嫌悪くなるのは1mmから。 |
2mm | 傘ささない人に「忘れちゃったのね」と同情しちゃうレベル。 外に出たら普通に濡れます。 2mmが続くと会社に行きたくなくなります。 |
3mm |
気象庁ルールで3~3.9mm。 |
5mm | 結構強い雨。 通り雨なら「しゃあないか」で我慢しちゃうけど、1日続くようならお出掛けをちゅうちょしちゃうレベル。 山林キャンプのような土サイトだと、雨が跳ねて裾に泥汚れが付き始めます。また、土地への水の吸収が追い付かなくなり、水たまりだけでなく高低差による「流れ」もでき始めます。 |
10mm | 雨音で「強い雨だな」ってほとんどの人が思うレベル。 ハザードマップに出てくるような場所だと、注意報・警報が出始めるので困ってしまう人が増えていきます。 長時間続くようだと、通行止めになる道路も出てきます。 |
20mm~ | 気象用語的には20mm以上が「強い雨」。 いわゆる「どしゃ降り」ってイメージ。傘をさしたって濡れます。 傘をささずに外に出ると、髪の毛がみるみるうちにぺったんこ。服もびしょぬれ。風邪をひきますのでやめましょう。 |
30mm~ | 気象用語的には30mm以上で「激しい雨」。 いわゆる「バケツをひっくり返したような雨」がぴったり。 災害の危険性が一気に高まります。 アスファルトの道路全体が川のように水の流れができます。 高速道路を走行中にブレーキが効きにくくなるハイドロプレーニング現象が起きる恐れもあるために速度規制が入ることも。 |
50mm~ | 「非常に激しい雨」。 河川の増水やがけ崩れの危険性も高まり、場所によっては避難準備・避難指示が出るところもあります。 通行止めになる道路も出てくるため、不要不急の外出は控えるレベル。 |
80mm~ | 「猛烈な雨」。 河川の氾濫や大規模災害発生の恐れが強いため、避難所への避難を本気で考えるレベル。 家の中にいたって怖い。まさに恐怖。 |
こうやってまとめてみると、50mm以上が危険なんだなっていう感じがしてきますよね。
でも、ちょっと待って・・・
10mmの雨だからって、1日降り続いたら積算雨量は240mm。
それだけの雨水が地面に降り続けたら・・・山の斜面だってもろくなり始めるだろうし、川だって増水しますよね。道路によっては交通規制がかかることだってあるんです。
つまり、
注意すべきは「降水量」と「降り続けている時間」なんです。
そらっぴ的「キャンプの日、降水量はこう見ればOK」
せっかく予約したんだし、何とかしてキャンプに出かけたい。
でも危険だったら困っちゃうし・・・
そうやって判断に困ってしまうときに、そらっぴが決めているちょっとしたルールがあるのでご紹介します。
もちろん、ベテランさんが持っているような「すぺしゃるなギア」や「とくべつなギア」があればなんとでもなるレベルかもしれませんが、小さなこどもがいるファミリー層にはちょうどいい指針になるかと思います。
雨でもキャンプを決行するパターン
- 1日だけの雨予報。しかも降水量10mm以下。
- キャンプ期間中雨予報だけど、0~5mm程度を行ったり来たり。
- 芝生や砂利サイトで、風も強くならなそうなら20mmでも頑張る。
などなど・・・・
できることなら最終日の午前中ぐらいは降水量0mm、晴れ予報であってほしいものですが、どうなるかなんて行ってみなきゃわからなかったりします。
そんなわけで、基本的には決行するパターンがほとんどです。
逆に、断念するパターンのほうが絞られてきます。
キャンプを断念しちゃうパターン
- 注意報・警報が出ているとき。
- 雨予報が台風の接近によるもののとき。
- ゲリラ豪雨などで危険性を感じたとき。
いずれも家族や自分の身に危険を感じるときには断念するか、テントではなくコテージを選んだりしています。
そして断念するにしても、きちんとそのことはキャンプ場には伝えなくちゃいけません。
キャンセルマナーについてまとめていますので、合わせて読んでみてください。
事前に予報で雨が降ることがわかったとしても、どうしてもこの日にキャンプに行きたい!ってことってありますよね。特に仕事を休んで予定組んでた日には「なんとかできないものか」って気持ちだけが焦っちゃったり・・・。
次は、そんな雨予報や当日の雨のときにでも焦ることなく雨と上手に付き合っていくためのノウハウを紹介します。
アウトドアならではの雨との付き合い方って?
雷を伴うような激しい雨や台風などであまりにも天候が悪い時には、わかった段階でキャンセルをするのが吉です。
でも、せっかく予約をしたし、なんとかならないのかなぁって気持ち。わかりますよ、そらっぴも外出したいし。
そこで、アウトドアで気にすべき雨との付き合い方についてちょっとまとめてみます。
ペグが抜けないように、雨が強くなる前に再チェック
雨が降ると、ガイロープを伝って雨は流れていきます。
すると、ペグダウンした部分がどんどん雨が染み込んでいき、地面はどんどんとゆるくなっていってしまいます。
そんな雨のときに強風が吹いたらどうなるでしょうか?
ペグが抜けてテントがバサバサっ!!タープだったら飛んで行っちゃうかもしれません。それ以上に、抜けた勢いでペグが自分のほうに飛んできたら・・・
雨が降ってきたら、ちょっと面倒でもペグとガイロープの様子はチェックするようにしておくと安心できますよ。
雨予報のときは、川から離れて設営。
山の天気は変わりやすいもの。今雨が降っていなくても、そのエリアでの天気予報で雨マークがあるなら急に雨が降り出すってことも十分考えられます。
そうなると、降った雨が川の流れを強く大きく、つまり増水してしまいます。
この増水、思った以上に速いスピードで進行するので、気が付いた時にはすぐ近くまで川の流れが!なんてことも。
晴れた日に川のすぐそばにテント設営なんてすごく雰囲気いいなぁって思いますが、天気が急に悪くなってテント一式移動しようにもすぐにできるものじゃありません。
大事なテントやギアたちが流されていくだけならまだマシなのかも。命にかかわることなのでこれは絶対守って設営場所を決めましょう。
土サイトより芝生や砂利のサイトのほうが水はけが良い。
事前に予約するときに雨が降ることを考えて予約なんてしないと思いますが、シーズン的に雨が多い時期のキャンプならちょっと頭の片隅に置いておいてもいい知識かもしれません。
雨が降っちゃったらどうしようもないので、あとは気分がどれだけ沈まないかにかかっているんだと思うんです(そらっぴ的には)。
雨が降っていて、テントの周りが水たまりだらけなのとそうじゃないのだったら、明らかに水たまりがないほうがそらっぴのテンションは高いw
これまでの経験上、土サイトはすぐに水たまりができ、砂利のサイトはいつまでも水たまりはできませんでした。
この写真のキャンプ場は、スコリアっていう火山岩を使ったサイトが特徴で、少しぐらい強い雨でも水たまりは全くできませんでした。
芝生サイトは、一見水たまりができていないように見せかけて、歩くと「ぐじゅっ」って『隠れ水たまり』に襲われることがたまにありました。
ちなみに砂サイトは、濡れたまま撤収⇒自宅で干そうとすると、家じゅうが砂だらけになって泣きそうになります。
雨は高い場所から低い場所へ流れます。
至極当たり前のことなのですが、特にフリーサイトだったり野外フェス会場でその当たり前がわかってない方が多くいらっしゃるので声を大にしてもう一度。
雨は高い場所から低い場所へ。
いやいや、そんな場所に設営したらテントの真下に水たまりできちゃうよ!なんて設営をしてしまう人って結構いるからおどろき。
設営のタイミングで少しでも高い場所を選ぶのがテントへの浸水を防ぐ方法のひとつです。
区画サイトでも同様で、区画利用の取り回しのよさを考えると、たいていの人が同じようなテント設営になるので、人の動線になる場所ってどうしても地面レベルが下がってしまい水たまりができやすくなります。
プロゴルファーのように「芝を読む」じゃないけれど、どこが高くてどこが低いのかをしっかり見据えてからテント設営をしましょう。人が多く通る場所や水たまりができやすい場所は芝生の成長が少し弱かったりするので、そういった見た目でも判断することができます。
斜面を流れる水が土砂で濁っていたら要注意!
大雨が降ると、山林のキャンプ場には必ずと言っていいほど水の流れができます。
普通に流れているだけならいいのですが、明らかに土混じりの茶色い流れだったり、大小様々な石が混じっていたりしたら注意が必要です。
実は山肌が削られている可能性もあるんです。
自宅近くの竹林のある斜面でも、大雨のときにはときどき下の道路にまで土混じりの水の流れができていました。市のハザードマップでも「土砂災害警戒区域」に指定されていて、「いつかヤバいことになるかもね」なんて言ってた矢先、先日の台風で竹林の一部が崩れていました。
いつ起きるかわからないけれど、崖の近くでのテント設営を控えるのもありですし、雨でできる流れの色はひとつの目安になるので覚えておくといいかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
知っているようで知らなかった降水量のこと。そして、気にするべきは降水量と降り続ける時間だということがわかったかと思います。
雨の日だからこそ楽しめるアウトドアの極意なんてものもあったりします。雨がダメなんじゃなく、雨でも慌てずにきちんと注意点を守ることで、雨のときでしか味わえない体験を楽しんでいただければ幸いです。
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