万全な体制で向かう冬キャンプ、寒さをしのぐアイテムとしていろいろなものを用意しようと思っていませんか?
冬でも快適にアウトドアを楽しむ上で、暖をとるための数々のアイテムがあるので、選ぶのも楽しいですよね。
特に薪ストーブや石油ストーブなど、自宅ではあまり使わないようなアイテムってワクワクして選ぶことに突っ走ってしまいがち。
でも、ちょっと待ってほしいんです。
間違った暖房器具の使い方で発生してしまう一酸化炭素は、思いも寄らぬ重大事故につながりかねないのです!!
そもそも、一酸化炭素ってなに?
目に見えない恐怖「一酸化炭素」ってそもそもどういったものなのでしょうか?
炭素や、それを含む有機物が燃焼すると二酸化炭素が発生するが、酸素の供給が不充分な環境で燃焼(不完全燃焼)が起こると一酸化炭素が発生する。
出典:Wikipedia
キャンプでは、焚き火やグリル、バーナー、ランタンなどの火気を多く使います。
どれも外で使うものなので大丈夫なのですが、冬場など外気が寒いからといってテントやスクリーンタープの中に入れ、閉め切って使うなどしてしまうと、この不完全燃焼が発生しやすくなってしまうのです。
カビ取り剤を使ったあとの「塩素臭さ」のように刺激臭がすればすぐに気が付けるのですが、一酸化炭素は無色無臭なので気が付かないことがほとんどです。
ここで、中学校の頃の記憶を呼び起こして化学式をみてみましょう。
炭は炭素ですので「C」、空気中の酸素は「O2」でしたよね。
炭に火を付ける行為を化学式で表すと、
ですよね。
この酸素の量が少なくなると、不完全燃焼を起こし、
という感じで一酸化炭素が発生するのです。
(化学式詳しい人、間違ってたらコメントください)
一酸化炭素は酸欠状態の時だけ発生するのではなく、通常の燃焼の時にも実は発生します。
一酸化炭素が増えてしまった場所にいると、それこそ気が付くことなく「一酸化炭素中毒」に陥ってしまうのです。
これが一酸化炭素の怖いところです。
一酸化炭素中毒の症状とは?
では、一酸化炭素中毒になるとどういった症状になるのでしょうか?
初期の軽症では、めまいや頭痛・耳鳴り・吐き気などが出てくるが、「きっと寒いからなんじゃね?」なぁんて気付かれないことがほとんど。
すると、意識はあるのにだんだんと身体の自由が利かなくなってきて、「これやばいんじゃね?」と一酸化炭素中毒を疑う頃には、自覚症状なしに急激に昏睡状態に陥ってしまいます。
その間も一酸化炭素の濃度は上がっていきますのでそのまま吸い続けることになり、やがて呼吸不全や心肺機能が抑制され、7割の方が亡くなってしまいます。
何度も言いますが、一酸化炭素は無色無臭なので、就寝中に中毒に陥ると気が付かないまま命を落としかねません。
テントの中でストーブを使っちゃいけないのは、テントが燃えちゃうからって理由以上に、一酸化炭素中毒の原因になるからなんです。
一酸化炭素中毒を防ぐための対策は?
火気はテントやタープのなかに持ち込まない!
居住空間が広いスクリーンタープやトンネルテントなどが流行っているので、テント内で過ごす人も多いようです。
外がすごく寒くってテントを締め切って使っている人も多いですよね?
でも、いくら寒いからってバーベキューコンロをテント内に持ち込んで調理をするなんてNG!
テントやスクリーンタープに限らず、コテージやバンガローでも、閉め切った空間に火気を持ち込むのは非常に危険です!
盲点なのが、炭消し壺。
火がついている炭をそのまま入れてふたをしておけば火を消すことができる優れものです。
雨が降っている、降りそうだからって、この炭消し壺をテント内に置くことはやめましょう。
まだ炭が燃えているなら、一酸化炭素だって発生します。
頭ではダメだって理解しているつもりでも、実際は思ってもないようなことをしてしまうことはよくあることです。
冷静な判断ができるようにしておきましょう。
換気はこまめに行う!
どうしてもテントやスクリーンタープの中で火気を使用しなければならないときは、必ず換気をしましょう。
頻度:こまめに!
また、テントやスクリーンタープには、窓の一部をメッシュにすることができるものありますし、ベンチレーションの小窓がついているものがほとんどです。
こういった機能をきちんと活用して、こまめな換気を心がけてください。
スクリーンタープに多いのですが、裾からすきま風が入ってこないようにスカートが付いている場合は特に注意しましょう。
一酸化炭素警報器を活用しよう
対策と注意をきちと払ったうえで、あったら便利なのが「一酸化炭素警報器」です。
テント内の一酸化炭素濃度が一定値を超えるとアラームでお知らせしてくれます。
この値段で安心を買えるなら安いものじゃないでしょうか?
だからといって、この警報器に絶対の信頼を寄せちゃダメ!
寝ている間に電池切れになっちゃうかも、そもそも故障しているかも・・・
あくまでも対策と注意を払ったうえでの補助として準備しましょう。
心配性なら電源サイトという手も
冬キャンプの寒さをしのぐアイテムは、なにも薪ストーブや石油ストーブだけじゃありません。
極力安全なものを活用するという選択肢だってあります。
使用できるワット数を事前に調べておく必要はありますが、ファンヒーターやホットカーペット・電気毛布を使うのもいいですよ。
まとめ
寒いのは承知の冬キャンプ。
焚き火やストーブでほっこりと暖を取るのも楽しみですよね。
きちんとした対策と注意を払えば、大丈夫です!
一酸化炭素中毒にならないよう十分注意して、楽しく安全なアウトドアを楽しみましょう!
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